いつか空に届いて

以前のエントリ「君に届け→」と同じ話なんだけれど、現在でもweb上には多数の同人小説、またケータイ小説なんかが山のようにあり、これに目をつけた出版社が書籍化したとき、そこにISBNコードが振られて、ようやく今ある世界はその物語を一意の存在として認識できる。それによって蒐集家はある程度(版が変わって違うモノになるかもしれないけど)安心してリストを埋めていけるわけだ。つまりISBNコードは我々にとって地図にようなものと言える。
ところが現在でもぽつぽつとヒットを飛ばしているケータイ小説とか、古い例では2ちゃん発の電車男といった物語も、その辺にアンテナを立てている人々には届いているけれど、今ある世界にはまるで届いていなかったわけだ。さて今後、しかもごく近い将来、書籍の発売をしない電子書籍が大量に現れるだろう。それに対してもISBNを振ることがすでに可能になっているのだが、これを意識しないパブリッシャーが現れることを少々危惧している。そんなことをされると我々は地図のない大海に泳ぎ出すことになってしまうし、書籍としてもそこに到達するための統一指標を失うわけで、これは非常によろしくない。ISBNは個人にも取得できるので、たとえ個人出版をするにしても必ず振っていただきたい。ISBN登録必須。これは世界とあなたの両方にとって重要なことなので、2回言いました。
ところで実際はISBNに限る必要はないのだが、ISBNは非常によいレジストラなわけであって、けっこう登録に金が掛かるという難点を除けば、現状ではほかに選択肢がないだけだ。だから、他に安価な電子書籍用のレジストラを立ち上げるというのはアリだろう。もしどこかがやろうとしてるなら今がチャンスと思われるので、すぐにやってほしい(ムチャクチャに業界から叩かれると思うけど)。ついでに同人誌のレジストラも作ってくれると大変うれしい。僕はボランティアで情報打ち込みまくるので、CDDBのノリでこちらは即刻作ってほしい。各方面の方よろしく。